弔い。

2001年3月5日
たまには表もマトモに書いてみようか?

今はそんな気分。
その日の出来事と言うよりも・・・
自分の中のアレコレについて書いてみよう。


もうあれから4ヶ月近く経つのか。
詳しい日付は覚えていないが、生まれて始めて葬式と言う物に出た。

知人の母親の葬式だった。
人手が足りないと言うコトなので、急遽手伝う事になったのだ。

一番印象に残ってるのは、やはり告別式が終わり、出棺の時だった。

故人との最後の別れです。と司会者が言う。
出棺前の最後の故人との最後の別れとして棺が開けられる。
参列者達が棺にわらわらと向かう。

隣にいた、一緒に手伝っていた人が、「オレ達も行きますか。」と。

けど・・・
オレはそれを断った。
「いえ。遠慮しときます。」と。

向こうは勝手に勘違いしたらしく、少し残念そうな顔をしてた。
きっと、見てもあまり気分の良いものでもないから、
遠慮したとでも思ったんだろう。

本当は全然違う理由で断った。
オレ自身、故人と親しいワケでは無い。
見掛ければ挨拶をする程度。多少は世話にはなったけどね。
まぁ息子の古い知人なんてそんなもんだ。

故人と親しかった人が行くのは当然だ。
そこには悲しみと過ぎ去った日々の記憶がある。

でもオレにはそれは無い。
もし行くとすれば、きっとそれは好奇心から行く事になるだろう。
そんな理由で死者と会うのは、失礼になるからと。
死んだ人間の尊厳を踏みにじる行為だと思った。

だから、行かなかった。


その後、人が少なくなった頃に、
火葬場へと続く渡り廊下に一人出て、
死者の冥福を祈った。
そうするのが、当然だと思ったから・・・
なぜか目頭が熱くなった・・・何故だろうか?

絶妙のタイミングで喪主が出てきたので、
見られやしなかったと一瞬ビビった。


死んだ人間に生きてる人間が出来るコトなんて、
たぶんほとんど無いんだろう。
ふとそんな事を思う。

斎場からは途中まで、一人で歩いて帰った。
来る時乗ってきた車に座る場所が無かったからだ。
結果、何故か参列者親族を見送るハメに。
早い話、最後に出たって事だ。まぁ・・・一人になれたから良しとするか。

その時、ふと悔やんだ事がある。
結局、生きてるウチにちゃんと挨拶出来なかったなと。
それが少し悔やまれる。
 
 
 
 
最後に会った時の顔を思い出す。
何もかも分かった上で、全てを受け入れた、
強くて・・慈愛に満ちた悲しい眼。

そんな表情だった。

今も・・・その表情が忘れられない。
きっと、一生忘れる事はないだろう・・・

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