猫と夕焼け
2002年8月20日ふと窓辺を見ると、
猫が何か言いたふげな目でこちらを見ている。
あぁ・・・窓を開けてほしいのか。
そう思って開けると、そこにはすぐ隣の店の壁がある。
それでも猫はじっと外を眺めている。
ふと、昔のことを思い出す。
まだ実家の2階に住んでいた頃。
こんな風にして、良く部屋の窓を開けていた。
夕日が部屋の色を変える頃、いつのまにか部屋に入ってきた猫が、
窓際の棚のような細い処の上に、トンッと下から登って来る。
そして、本を読んでいる自分の方をじっと見る。
窓を開けてやり、網戸を閉めてやると、
香箱を組み、沈む夕焼けの町並みをじっと眺める。
そうこうしていると、いつのまにかもう一匹のトラ猫も、
棚の上に登って来て座る。
まるで狛犬のように、左右対象で並んで香箱を組み、
飽く事なく眺めているのだ。
ふと、そんな光景を思い出した。
もう決して見る事の叶わない遠い昔の出来事。
片割れを失ったこの猫は、何を思うのだろうか。
猫は、どこか遠くをただじっと眺めている。
そのどこか他者を拒絶するような、孤独を匂わせた憂いた瞳で。
自分にはきっと理解出来ない何かを思って。
いや、理解されたとも猫は思わないだろう。
・・・猫のそういった表情が気に入ってるのかもしれないな。
そういった雰囲気が好みなのかもね。
そんな事を思っていると、ふと猫がこちらを向き、
欠伸を1回してから、気にするなと言わんばかりに、
目を細めてこちらを見る。
頭を軽く撫でてやると、目を瞑り。
喉をかいてやると、気持ち良さそうに喉をならした。
そしてまた、窓の外をじっと眺める。
人には見えない、どこか遠くをただじっと眺めて。
死んだ者は還えらない。
だから、その事を話さないし、思い出しもしない。
・・・でも、忘れてもいない。
猫が何か言いたふげな目でこちらを見ている。
あぁ・・・窓を開けてほしいのか。
そう思って開けると、そこにはすぐ隣の店の壁がある。
それでも猫はじっと外を眺めている。
ふと、昔のことを思い出す。
まだ実家の2階に住んでいた頃。
こんな風にして、良く部屋の窓を開けていた。
夕日が部屋の色を変える頃、いつのまにか部屋に入ってきた猫が、
窓際の棚のような細い処の上に、トンッと下から登って来る。
そして、本を読んでいる自分の方をじっと見る。
窓を開けてやり、網戸を閉めてやると、
香箱を組み、沈む夕焼けの町並みをじっと眺める。
そうこうしていると、いつのまにかもう一匹のトラ猫も、
棚の上に登って来て座る。
まるで狛犬のように、左右対象で並んで香箱を組み、
飽く事なく眺めているのだ。
ふと、そんな光景を思い出した。
もう決して見る事の叶わない遠い昔の出来事。
片割れを失ったこの猫は、何を思うのだろうか。
猫は、どこか遠くをただじっと眺めている。
そのどこか他者を拒絶するような、孤独を匂わせた憂いた瞳で。
自分にはきっと理解出来ない何かを思って。
いや、理解されたとも猫は思わないだろう。
・・・猫のそういった表情が気に入ってるのかもしれないな。
そういった雰囲気が好みなのかもね。
そんな事を思っていると、ふと猫がこちらを向き、
欠伸を1回してから、気にするなと言わんばかりに、
目を細めてこちらを見る。
頭を軽く撫でてやると、目を瞑り。
喉をかいてやると、気持ち良さそうに喉をならした。
そしてまた、窓の外をじっと眺める。
人には見えない、どこか遠くをただじっと眺めて。
死んだ者は還えらない。
だから、その事を話さないし、思い出しもしない。
・・・でも、忘れてもいない。
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